ご挨拶
検査科は心電図検査・肺機能検査・超音波検査など患者さんと接する生理検査部門、輸血業務や血液製剤を管理する輸血部門、血液・尿の分析を行う検体検査部門の3部門から構成しています。迅速で制度の高い検査データの提供を心がけて日頃より努力しております。
生理検査部門
心電図検査
心臓が一定のリズムで収縮と拡張を繰り返す時に、微弱な電気が流れます。この電気の流れの変化を記録したものが心電図です。
一般的にいう心電図とは「安静時12誘導心電図」で、ベッドに仰向けに寝て、両手首・両足首と胸部6ヵ所に電極を付け、12種類の波形を記録します。
この記録した波形の変化をみることが、不整脈や心筋梗塞などの心臓の病気を見つける手がかりになります。
一般的にいう心電図とは「安静時12誘導心電図」で、ベッドに仰向けに寝て、両手首・両足首と胸部6ヵ所に電極を付け、12種類の波形を記録します。
この記録した波形の変化をみることが、不整脈や心筋梗塞などの心臓の病気を見つける手がかりになります。
ホルター心電図検査
動悸や脈の乱れ、胸痛などの症状があるときに心電図の検査がよく行われますが、通常の心電図検査は、記録時間が短く、必ずしも検査中に症状や心電図変化が現れるとは限りません。一方、ホルター心電図検査は、約24時間(1日)と長時間の心電図を記録することで、不整脈や狭心症の診断、治療効果の評価に有用です。
胸の5カ所に電極を取り付け、携帯型の心電計を持ち帰って頂きます。翌日来院して頂き取り外して、専用の解析装置で解析をします。なお記録中は、どのような生活(行動)をされたか、症状があった場合はどの様な症状かを、お渡ししたカードに記録して頂きます。携帯型心電計の装着中の生活は普段と変わりませんが、精密機械なので落としたり、ぶつけたり、水に濡らさないように注意が必要です。そのため装着中は入浴することができません。
血圧脈波検査
血管を流れる血液の脈動の速さや四肢の血圧を測り、血管の硬さと狭窄(動脈硬化の程度)を調べます。この検査では次の2つのことがわかります。
- 脈波伝播速度(血管の硬さ)
心臓から押し出された血液により生じた拍動が動脈を通じて手や足に届くまでの速度のことで動脈が硬いほど速くなります。 - 上腕と足首の血圧比(血管の詰まり具合)
上腕と足首の血圧の比を測定することで血管の狭窄の程度が分かります。健常人の場合、足首血圧は上腕血圧より高いのが普通ですが、足の動脈が脂質等で詰まったりすると、血流が悪くなり上腕の血圧より低くなり、上腕と足首の血圧比の値が低くなります。
肺機能検査
血肺機能検査は、息を吸ったり吐いたりして肺の能力を調べる検査です。検査で主に行われる項目は『肺活量』と『努力性肺活量』の2つです。これらは人間ドックや健康診断、喘息のスクリーニング、手術前などにも行われます。
検査は『スパイロメーター』という計測機器を用います。鼻をクリップでつまみ、マウスピースをくわえながら行います。
検査は『スパイロメーター』という計測機器を用います。鼻をクリップでつまみ、マウスピースをくわえながら行います。
肺活量
息をゆっくり限界まで吸ったり吐いたりしたとき、肺に出入りする空気の量を調べます。 通常の呼吸を繰り返した後、限界までゆっくりと息を吸い、そのまま限界まで吐き出します。その後通常の呼吸に戻して、息の漏れがないことを確認して終了です。
努力性肺活量
限界まで吸った空気を出来るだけ急いで一気に吐き切ったときの空気の量で、どのくらい早く吐き切る事ができるかということから、気道の通りやすさを調べます。 肺活量検査と同様に、限界まで息を吸った後、できるだけ一気に強く息を吐き出し、そのまま限界まで吐き続けます。吐けなくなったら息を吸って終了です。
神経伝導速度検査
手や足の神経が正常に機能しているか調べます。
手や足の神経の上から電気で刺激をして、誘発される筋反応から刺激が伝わる速さを測定したり、波形を分析します。手足がしびれる、力が入りにくいなどの神経障害の診断に役立ちます。
手や足の神経の上から電気で刺激をして、誘発される筋反応から刺激が伝わる速さを測定したり、波形を分析します。手足がしびれる、力が入りにくいなどの神経障害の診断に役立ちます。
超音波検査(エコー検査)
人の耳では聞こえないほどの高い周波数の音を超音波といいます。超音波は臓器や組織の境界で反射する性質があります。この性質を利用して反射してくる音(反射波)を受信し画像を作り出します。
心臓超音波検査
心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。四つの部屋と四つの弁からできており、超音波検査では各部屋のバランス、壁の厚さ、奇形はないかなどを調べます。また心筋の動きや、弁の閉まり具合、開き具合もわかります。カラードプラという方法を使うと血液の流れを視覚的にとらえることができ、弁の逆流もわかります。
この検査は心臓の病気の診断だけでなく、手術前の心機能の評価にも用いられます。
この検査は心臓の病気の診断だけでなく、手術前の心機能の評価にも用いられます。
下肢静脈超音波検査
足全体に超音波をあて、静脈の太さや形態、血栓の有無などを知るために行います。
死亡の危険性が高い肺塞栓症の原因となる深部静脈血栓症(俗にエコノミークラス症候群、ロングフライト血栓症)は、長時間足を動かさずに同じ姿勢でいると、足の深部にある静脈の血液の流れが悪くなり血栓(血の固まり)ができる病気です。この血栓の一部が血流にのって肺まで流れていき、肺の血管を詰まらせてしまう病気が肺塞栓症です。この検査では足の静脈の血栓の有無や、血栓の場所や範囲を調べます。
死亡の危険性が高い肺塞栓症の原因となる深部静脈血栓症(俗にエコノミークラス症候群、ロングフライト血栓症)は、長時間足を動かさずに同じ姿勢でいると、足の深部にある静脈の血液の流れが悪くなり血栓(血の固まり)ができる病気です。この血栓の一部が血流にのって肺まで流れていき、肺の血管を詰まらせてしまう病気が肺塞栓症です。この検査では足の静脈の血栓の有無や、血栓の場所や範囲を調べます。
関節超音波検査
関節リウマチが引き起こす滑膜の炎症を直接観察する画像検査です。
炎症を起こしている関節滑膜は健常な場合と異なり厚みをもち滑液が増加した状態となり内部に異常な血流信号を観察することができます。より早期に関節リウマチを診断するため、また関節の炎症が抑えられていることを内部に異常な血流信号を観察することができます。寛解判定に関節超音波検査は有用とされています。
炎症を起こしている関節滑膜は健常な場合と異なり厚みをもち滑液が増加した状態となり内部に異常な血流信号を観察することができます。より早期に関節リウマチを診断するため、また関節の炎症が抑えられていることを内部に異常な血流信号を観察することができます。寛解判定に関節超音波検査は有用とされています。
腹部超音波検査
腹部(みぞおちから、わき腹のあたり)に超音波をあて、5つの臓器(肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓)を中心に、異常がないかを調べます。
胆石、ポリープ、のう胞、腫瘍などの限局性病変、脂肪肝、慢性肝炎などのびまん性疾患、各臓器の形態などを観察します。
胆石、ポリープ、のう胞、腫瘍などの限局性病変、脂肪肝、慢性肝炎などのびまん性疾患、各臓器の形態などを観察します。
整形外科領域超音波診断
腱、筋肉、骨膜などの運動器と皮膚下に発生した南部腫瘍などが主な対象となります。
各運動器や疾患をリアルタイムに観察できます。
各運動器や疾患をリアルタイムに観察できます。
下肢動脈超音波検査
足全体に超音波をあて、足の付け根から足先にかけて走行する動脈の血管の太さ、動脈硬化の程度、血栓の有無、血液の流れなどを調べます。
歩くと足が痛くなり休むと楽になる症状を間欠性跛行と言い、閉塞性動脈硬化症の方に現れる症状です。足先が赤紫色になったり、冷えて痛んだりする症状も現れます。動脈硬化による狭窄や閉塞の場所や範囲などを調べます。また動脈瘤や血栓の存在などについても調べます。
歩くと足が痛くなり休むと楽になる症状を間欠性跛行と言い、閉塞性動脈硬化症の方に現れる症状です。足先が赤紫色になったり、冷えて痛んだりする症状も現れます。動脈硬化による狭窄や閉塞の場所や範囲などを調べます。また動脈瘤や血栓の存在などについても調べます。
甲状腺超音波検査
甲状腺の状態を観察します。
甲状腺の大きさや腫瘤(しこり)ができていないか、リンパ節や副甲状腺が腫れていないかなどがわかります。
甲状腺の大きさや腫瘤(しこり)ができていないか、リンパ節や副甲状腺が腫れていないかなどがわかります。
腎動脈超音波検査
腹部大動脈から分岐して腎臓に流れる腎動脈や腎臓内の動脈(区域動脈など)を観察します。それぞれの血流速度を測定し、腎動脈狭窄の有無を評価します。
頸動脈超音波検査
首に超音波を当て、首の左右にある頸動脈の血管の太さ、動脈硬化の程度、血栓の有無、血液の流れなどを調べます。
脳に血流を送る重要な動脈である頸動脈の動脈硬化による狭窄や、脳梗塞や脳塞栓などの脳血管疾患の原因となる血栓の存在などについて調べます。頸動脈の動脈硬化が強い場合は、心臓の冠動脈の動脈硬化(狭心症など)を合併することも多く、全身の動脈硬化を判断する上で有用です。高脂血症、糖尿病、高血圧などの方に有益な検査です。
脳に血流を送る重要な動脈である頸動脈の動脈硬化による狭窄や、脳梗塞や脳塞栓などの脳血管疾患の原因となる血栓の存在などについて調べます。頸動脈の動脈硬化が強い場合は、心臓の冠動脈の動脈硬化(狭心症など)を合併することも多く、全身の動脈硬化を判断する上で有用です。高脂血症、糖尿病、高血圧などの方に有益な検査です。
輸血部門
輸血部では、自己血を含めた輸血用血液製剤の管理と供給、輸血関連検査、副作用への対応などの業務を行います。治療効果と安全性を重視した、迅速かつ適切な輸血が提供できるよう努力しております。
輸血関連業務
- 輸血用血液製剤(赤血球液、新鮮凍結血漿、濃厚血小板など)の赤十字血液センターへの発注
- 輸血用血液製剤の保管管理、手術室・病棟などへの払い出し
自己血関連業務
- 自己血の保管管理・払い出し
自己血輸血とは、手術前自分の血液を採取しておき、手術で血液が必要になったときに、採取しておいた血液を輸血する方法です。
輸血副作用に関する情報収集
遡及調査のため、輸血前の検体を一定期間保管しています。輸血副作用発症時の情報収集を行い、その情報を日赤血液センターへ報告するとともに、必要があれば精密検査の依頼を行います。
適正な輸血療法と安全確保のための取り組み
- 輸血療法委員会の開催
- 院内への輸血に関する情報の提供
年6回以上輸血療法委員会を開催し、適正輸血、症例検討、輸血副作用の対応、輸血療法に関連した案件を協議しています。 廃棄血液の削減に努め、より安全な輸血療法の実現に取り組んでいます。
検体検査部門
検体検査業務は、採血した血液検体や尿・糞便、体腔液(胸水・腹水・心嚢液等)、分泌物等を自動分析装置や顕微鏡・測定キットなどを用いて分析し検査結果を報告します。一般検査、血液検査、生化学・免疫検査、輸血検査、微生物検査があります。
院内業務委託 ブランチラボ
- 一般検査
尿中の蛋白・糖、潜血などの有無や細胞・結晶の分類をします。 - 血液検査
血液中の赤血球数・白血球数・血小板数などの測定をします。血液凝固系検査等も行います。 - 生化学・免疫検査
血清中の各種酵素・電解質などを自動分析装置で測定します。 - 輸血検査
血液型検査、不適合輸血を防止するための交差適合試験を行います。
その他検査
病理検査や微生物検査また特殊検査は外部の検査センターへ委託して広い範囲の検査をカバーしております。